先月、モンゴル国閣僚会議で、年利8%の住宅ローンの頭金が物件代金の10%、支払い期間が30年へと最終決定された。但し、具体的な開始期間はまだ未定である。
現行の住宅ローン規則(年利8%住宅ローンに関する規則)では、頭金が物件代金の30%だった。規則のその他の基本条件は、ローン対象物件の面積80 м2 以下、貸付期間20年間、住宅ローン年利8/±1/%となっている。ローン対象者は18歳以上のモンゴル国籍を有する者で、社会保険料を2年間支払っており、住宅ローンを初めて受ける者でなければならないと定められている。また、銀行の貸付条件を満たしていなければならないという条件になっている。
今回の変更では、年利8%住宅ローンの頭金は10%になり、残りの20%はモンゴル国開発銀行が保障することになった。
年利8%のこの住宅ローンプログラムは2013年から始まっており、モンゴル国政府、モンゴル銀行加盟銀行が共同で実施している。このプログラムは安定的な住宅化融資制度の整備、モンゴル国市民の住宅化支援、都市化計画の推進、建築分野の推進、住宅価格の安定化を主目的としている。
このプログラムは、実質市民向け低利子長期ローンの推進のみではなく、モンゴル国の住宅ローン市場規模の拡充、住宅金融第2市場の開発の後押しにもなっている。計画が実施されて以来、モンゴル国の建築分野、ひいてはモンゴル国の経済成長や経済発展に大きな貢献をしている。同プログラムの導入で、多くの市民が実際に住宅を確保できた。2014年9月時点で、およそ6万の家庭が 住宅ローンを借り入れている*。建築省と国家建築コーポレーション共同で実施した住宅ニーズ調査では、住宅購入を希望している家庭の数が20万戸というデータが出ている(2014年7月実施)*。建築ラッシュが続いているにもかかわらず、住宅購入のニーズが高い状態が続いている。
住宅ローンプログラムにはモンゴルモーゲージ・ローンコーポレーションは主役を果たしている。同機関の主機能は、これまでの住宅ローンの機能強化、住宅金融第2市場の開発である。モンゴルモーゲージ・ローンコーポレーションは2013年から実施された同計画に参画し、今までで名目価格5450億MNTの抵当ローン保障付き証券を発行しており、これ以降も追加で名目価格およそ3000億MNTに匹敵する抵当ローン保障付き証券を発行することを予定している。
低利子住宅ローンの導入により、モンゴルにおいてようやく長期融資制度の基盤が置かれる形となった。2015年に入ってからの経済低迷により建築分野もその影響を受け、住宅購入件数が下がってきているが、モンゴル政府はその対策として低利子住宅ローンの条件を緩め、年利8%住宅ローンの頭金を10%にする運びとなった。
出所: モンゴルモーゲージ・ローンコーポレーションHP