2011年5月に設立された国有法人であるモンゴル開発銀行は、2012年3月に利子5,75%の5億8千万ドルの債券を国際市場で発行した。この債券の返済期限が3月21日とされており、ここ1、2年はその返済が懸念されてきた。
そんな中、モンゴル政府はその打開措置としてある手を打った。それは、6ヶ月にわたって国際通貨基金(IMF)と協議を行った結果、期間3年の拡大信用供与措置(EFF: Extended Fund Facility)を受けることで合意したことである。この措置の範疇、モンゴルは国際通貨基金から4億4,000万ドルの融資を受けることになった。国際通貨基金のほか、アジア開発銀行や世界銀行、日本、韓国などの支援も決まっている。
このような流れの中、もう一つ朗報が飛び込んできた。それはモンゴル政府の国際債券市場でのもう一つの華やかなプレイである。モンゴル政府は、先月末、額面金額100$、利子8.75%、期間7年の総額6億米$の「Khuraldai」国債を発行した。モンゴル政府は、モンゴル開発銀行の外貨建債券保有者等に、新しく発行された国債「Khuraldai」との株式交換公開買い付けを提案した。
その提案が成功にこぎつき、モンゴル開発銀行債券保有者等の82%/4億7600万$に匹敵/がモンゴル政府が提案した株式交換公開買い付けを引き受けた。残りの国債/1億2400万米ドルに匹敵/は新規の投資家等に額面金額106.16$、利子7,625%で提案された。モンゴル政府のこの新しい国債は投資家等の間で人気が高かく、買い付け注文がおよそ200人からき、その総額はなんと33億ドルに達し、第2部市場での価格が先週高等し、108$にまで達したという。
Khuraldai国債を買い付けた投資家等の構成を見てみると、76%が米国投資家等、18%はヨーロッパ系の投資家等、残り6%はアジア系の投資家等となっている。モンゴル開発銀行の外貨建債券の満期日が3月21日となっているが、新しい国債の第1部市場取引の代金の支払いが3月9日になされる。
今回の株式交換公開買い付けの成功により、モンゴル政府の海外支払いが延長され、今期の国際収支の負荷が減ることになる。
このKhuraldai国債の価格上昇に伴って、モンゴル政府が以前発行した各国債の価格も上昇している。うち、チンギス国債の相場が2013年以降の最高の水準で推移している。
モンゴル大蔵大臣の発言によると、IMFの融資資金4億4千万米ドルはモンゴル銀行の外貨準備金に繰り入れ、他の国際機関やドナー国から入ってくる資金は2017-2019年の国家予算の赤字に充てるという。
こうして、モンゴル政府は債務不履行に陥ることを今回のプレイでうまく避けることができた。
今年に入ってからは、国際市場での資源価格の高騰が目立っており、もう一回モンゴルに追い風が吹いてきているかもしれない。市場の波にうまく乗り、今までの失敗を見直して、取り組んでほしい。
情報元: モンゴル開発銀行 HP、モンゴル大蔵省HP、Bloomberg tv Mongolia HP、NASDAQ HP
Written by: Nasa
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