8月14日に「モンセメント」エコセメント工場のオープン式が開催された。つまり、少ない水を利用し、利用済み水の90%を再利用する技術を導入した工場だ。また、工場から出る粉塵を最小限に抑える試みに挑戦するという。工場が位置するウルグン郡の石灰石は、マグマ酸や有毒物質の濃度が低く、セメント含有度が適切で、カルシウム酸濃度が高い。まさに、今の時代に合った、環境にやさしい工場の建設に適格な原料である。
工場の立地はモンゴル東部に位置するドルノゴビ県ウルグン郡だ。 工場が出来上がるまで10年間かかったという。工場建設プロジェクトは2007に開始された。最初の段階では、原材料である石灰岩の地質調査が実施され、埋蔵量やその使用用途などが確定された。その後、電力、鉄道、水供給施設などのインフラ工事が進められた。
セメント製造時に出る余熱で5メガワットの電力生産を予定している。これで工場およびその周辺集落への電力供給が可能になる。石灰石開発・濃縮工場の稼動開始で、工場は原材料確保が可能になる。
最初の納品先は、 国内の生コン会社、建築会社である。フル稼動では国内市場の30%を賄える生産能力を有する。製品の質は中国産よりいいとの評価。
「モンセメント」プロジェクトから得られる効果:
- 100%国内生産
- 鉱業依存型経済からの脱却、経済分野の多角化への移行に寄与
- 輸入代替効果、外貨流出の抑制効果
- 地方予算への資金調達、500強の職場の確保
- 工場が位置する地域における中小企業の開発、その収入源の増加に寄与
- 工場が位置するウルグン郡にて1000世帯住宅、サービスセンター、幼稚園、スポーツ施設を新設
- ヨーロッパ基準に合った製品を生産
- 環境にやさしく、排出される二酸化炭素の量が非常に少ない
- 各種用途使用可能で、耐水性で、丈夫なセメントの生産が可能
「モンセメント」工場の関連数値:
- 1年に100万トンのセメントを生産できる。
- 国際JORK基準で計算すると、石灰石の埋蔵量は170-200年
- 開発最中は土壌を切開しない。
- 工場作業員400名、発電所や鉱山現場には200名近くが勤務予定。
- 365日フル稼動
- 総投資金額2億3000万米ドル。うち、20%はEBRD、80%はモンゴル側 (うち、25%は国債融資による)の融資
オープン式にはモンゴル首相Ch.Saikhanbileg率いる高官等が参加。
モンゴル政府は今後、国内企業を支援すべく、セメント輸入関税を20%上げる方針を固めている。
参考元: www.zasag.mn